古民家−1

皆さんはご存知ですか?新築住宅着工件数は3年連続増加しているのですよ。
平成16年は1,189,049件、平成18年は1,236,122件、実に5年ぶりに120万戸台を回復し、その内訳を見てみますと、軸組木造住宅とが、本格的木造軸組住宅とか色々な形式があります。おおまかに言いますと、昔ながらの大工さんの手刻みによる加工を行い、筋交いではなく貫材を使用した住宅、同様な加工を行いながら筋交いを使用した住宅、大工ではなくコンピューターにより加工を行い、筋交いを使用した住宅に分類できるかも知れません。変わったところでは、柱を数多く並べて壁として使用した建物とか、鉄骨の変わりに木材を使い、溶接の替わりに特殊金物と接着剤で固めた建物もありますが、これは少数派だと思います。 近頃は流行なんでしょうか?古民家再生とかいう言葉がよく聞かれます。古い建物を再生して使用する訳ですが、もちろん大工さんが手刻みで加工を行い、貫材を使用して土を使って壁を造ってある建物がほとんどです。
現代の建物は、スクラップ&ビルドの流れでしょうか?平均寿命は24〜25年といわれています。短いですよね。構造的寿命ではなく、社会的寿命もあるかもしれません。
田舎に行きますと築50年は当たり前ですし、100年近く前の家もあるような気がします。勿論新築当時のままではありません。屋根瓦を葺き替えたり、トイレや風呂、台所もきれいにしてあります。何も問題はないようです。古い建物は、柱や梁が丈夫ですし、壁も少ないので改造しやすいのですよ。本来住宅はその時々の生活様式に対応して変化させていけば、50年100年とその寿命を延ばすことが出来るはずですし、一番建物にとって悪いのは人が生活しなくなり、換気がとれなくなることではないでしょうか。

古民家−2

 日本建築は本来再生しやすい建物だと考えています。移築とか、曳(ヒ)きやとかいう言葉を聞かれた方は多いと思いますが、前者は解体して別の所に立て直しますが、後者は建てたままで建物移動させ、再度利用する方法です。
本来の日本建築の姿は全て再生可能な建物で出来ているということです。柱梁の接合部は込栓という木の脱落防止の仕組みで固定してありますし、これを抜きますと、柱、梁を傷つけることなく別々にすることが可能です。壁土、瓦等も使用できますし基本的に接着剤は使用してありません。ご存知の方は少ないかもしれませんが、昔から建物の解体材は販売再利用されていたようです。余談ですが京都観光に行きますと、「この建物は釘を1本も使ってありません」なんて説明されるガイドさんがいますが、これはちょっと疑問です。いくらなんでも板材等は釘で固定してありますし、「骨組には釘を1本も使用してありません」が本当だと思います。
古い建物を調査いたしますと結構面白いことが分かります。移築して80年程建っていた物もありますし、1つの建物と考えていますと、元は3件だったりした事もあります。先日調査した物件では、建物は古いのですが早い時期に柱の下部を継いで(根継ぎ)してあるのですよ。もしかしたら移築してあるいは、古材の再利用かもしれません。建物には、建設当初からのカルテがそのまま保存してあります。
飲食店等で古い建物を移築したり、改修したりして営業しているところが結構あるようですが、読者の皆さんも行かれた事があると思います。私もお酒が好きですので行きますが黒光りした柱、大きな桁や梁、そして高い天井、いいですよね。そんなところに古民家の良さがあるのかもしれません。

古民家−3

古民家と聞いて皆さんはどんなイメージを持たれますか?前回もお話しましたが黒光りした柱、大きな桁や梁、高い天井、そして煤けた内装などではないでしょうか。でも本当はそれだけではないんですよ。
一口に古民家と言いましても、色々な形式があると思います。いつ頃建設されたのか、用途は何なのか、どこの地域の建物なのか等色々な用件により建物は成り立っています。
田舎風ですと、一般的な古民家のイメージになるかもしれません。天井もなく、屋根裏の板がそのまま見えている場合も多いです。差し鴨居といいまして出入り口ふすまの上に高さ30センチほどの木材を化粧材として使用したり、敷居も同様な形式で施工してある場合もあります。土間があったり、作業性を考えてあるのかも知れませんが、基本的に大きな材料を使用し機能性を重視してあるようです。
町屋建築の場合はいかがでしょうか。田舎風に比べて全体的に上品ですよね。大きな材料と小さな材料と小さな材料をバランスよく配置し、天井がある部屋も多いのではないでしょうか。
でも、共通して言える事は、木材を上手に使用してあることだと思います。「適材適所」という言葉がありますけど、まさにその通りです。桧、杉、ケヤキ、松、クス等色々な木材を木目や、節を考えてまさに適材適所に使用してあります。人件費より木材費が高価だったせいでしょうか、曲がりくねった木材も梁等に使用し、当時の大工技術の高さをうかがった事が出来ます。
桧普請といいますと高級な感じがしますが、熊本では少ないようです。逆に良い杉を使った建物が多いようですよね。能登半島の方に行きますとケヤキ普請の家もあります。九州の建物だと台風を意識し瓦を目地漆喰で固定したりしますが、関東ではしません。「うだつが上がる」という言葉がありますが、熊本ではどうでしょうか、四国に行きますと「土佐漆喰にうだつのある家」いいですよね。
古民家の良さは、その地域で取れる木材を適材適所に使用し、その地域の気候を考えて建設してあることろにあるのかもしれません。