adminさんの日記 - 有限会社 野中建設 http://www.nona-ken.com/modules/d3diary/index.php?req_uid=1 ja 2017-03-01T15:15:26+09:00 見学してみてください 【千代の園酒造事務所編】 http://www.nona-ken.com/modules/d3diary/index.php?page=detail&bid=6 見学してみてください 【千代の園酒造事務所編】 皆さん日本酒はお好きでしょうか?私が住んでおります山鹿にも造り酒屋がありますよ。明治時代は5件の造り酒屋があったそうですが、現在は1件だけになってしまいました。名前を「千代の園酒造」といい、創業は明治29年です。ご存知でしょうか?まんがの「美味しんぼ」には「大吟醸エクセル」が紹介してあります。女性向きの優しいお酒ですので飲んでみてください。 熊本の風習として正月にはお屠蘇として「赤酒」を飲みます。全国的には「赤酒」のイメージは料理酒ですが、熊本では正式な時に使用する大事なお酒です。不思議ですよね。でも理由もちゃんとあります。正月までにはゆっくりお話をしてみます。西南の役も関係しているのですよ。 千代の園酒造ですが、事務所は山鹿市下町にあります。その姿は写真を見ていただくとよくわかると思います。2階窓には異なる形式の窓格子が3か所ありますが、皆様の感想はいかがでしょうか? 一般的な窓格子はアルミ製ですが、この建物の窓格子部材は杉材で出来ており、大きさは15mm*24mm程度の物もあります。細いですよね。でも現在まで残っていたという事は、いかに地元の杉材の品質が良いかという事を示しています。100年以上も西日に耐えていたのですから驚きです。どうして100年以上もたっている事が判明するのかと思われるかもしれませんが、木材に残された痕跡を調べると分かります。特に部材を固定する釘には「和釘」を使用してありますので、明治前半・下手をすれば江戸末期という事を示しています。(参考までに申しますが、熊本において和釘から洋釘に変換していったのは明治10年代といわれています。今年建設100周年を迎える八千代座は勿論「洋釘」です。) 建物を見ていただくときに注意していただきたい事は、けっして現在の姿が建設当初の姿とは限らないという事です。八千代座も明治43年の建設ですが、現在の姿は大正13年を基準にしています。千代の園事務所も下屋部分の腕木をボルトで吊り屋根を支えて、1階に板戸を取り付けられるようになっています。木製板戸ですのでボルトという近代的な金物を使用して建てた、近代的な建物用に感じられますが、1階下屋屋根を支えています腕木や、柱には持ち送り(屋根を支える部材)の痕跡が残っています。この事は、建設当時の窓の形式は「しとみ戸」等の可能性があり、建物の歴史の中で建具の形式を変更していった事を示しています。 古い建物を見るときに少し黒っぽいイメージをお持ちの方が多いと思いますが、私は山鹿の建物につきまして別のイメージを持っています。実は「ベンガラ」(ベンガル地方の赤い土)を利用した赤っぽい建物ではないかと思っています。ハイカラですよね。調査してみますとその証拠をたくさん発見する事が出来ます。 皆さんも古い建物を眺めてください。いろいろな歴史を私たちに教えてくれますよ。 日記 2010-10-27T11:33:20+09:00 ある古民家の工事―2【根継ぎ】 http://www.nona-ken.com/modules/d3diary/index.php?page=detail&bid=8 ある古民家の工事―2本田邸の根継ぎのお話ですが、工事方法はどのような方法を想像されましたでしょうか?この大黒柱には、四方より胴差し(水平の床を支える梁)が来ています。屋根も昔の土葺ですし、壁も蔵風の土壁です。荷物等を含めますと十トン近くのもの荷重が来ています。単純に考えますと、クレーンか何かを持ってきて建物を持ち上げる事が考えられますが、家の中ですし、それは無理です。エジプトのピラミッドも人力で作られましたし、歴史のあるお寺やお宮などの強大な建物も人力で作られています。人間は賢く出来ていますので、先人たちの知恵をお借りし、昔からの道具を使用しますと簡単に作業できると考え、施工した次第です。答えは、「大砲ジャッキ」を使用して建物を持ち上げて根継ぎを行う施工方法で、補修工事を行ったという事です。この「大砲ジャッキ」ですが、金属の筒ではございません。木製の筒を細工し、ネジを廻して建物を持ち上げたりするものです(すみません写真は別の機会に掲載いたします)。私も正式名称は知りません。別の名前で呼ばれていらっしゃる方も多いと思いますが、まあ近代的な道具ではなく、昔の道具も良くできているという事でしょうか?手順と致しましては、まず既存の床を一部解体します。次に大砲ジャッキをセットし、慎重に建物を持ち上げるのですが、結構大変です。やっぱり重いですね。持ち上げた後は、慎重に柱下部を切断します。水平に切断しませんと、荷重の加わり方が不均等になります。柱も今風の小さい柱ではなく一般的な柱の4倍ほどあります。材質も樫という堅木ですので、切断するのも大変ですので大工の腕の見せ所です。撤去した柱ですが、「画像−1」のようにバラバラになりました。ほとんど腐っていたようです。考えてみますと、こんな状態で長年耐えていたものです。本田邸の大黒柱は独立柱なのですが、柱下部も2方向よりカマチが差してあり、込栓(木の栓)を使用して足元が固定してありますので、カマチ下場で切断しあえて突きつけで施工しました。金輪継ぎの目的は軸力(材を縮めようとする力)だけでなく、曲げ(材を曲げようとする力)やせん断(材をずらそうとする力)に対しても抵抗する為の仕口なのですが、今回はカマチがあります。軸力だけに抵抗すればよいと判断したしだいです。結果は、「画像―2」の通りです。うまく根継ぎを行う事が出来ました。根継ぎ材の材質と致しましては、「ケヤキ」です。勿論堅い材料ですが、特に耐久性を考え「赤身」を使用しております。写真を見て気が付かれた方もいらっしゃるとは思いますが、今後の100年を考え湿気対策を施しております。さて、何をしたのでしょうか?別の機会に説明させていただきます。 日記 2010-10-19T20:27:42+09:00 ある古民家の工事―1 【根継ぎ】 http://www.nona-ken.com/modules/d3diary/index.php?page=detail&bid=10 ある古民家の工事―1【根継ぎ】皆さんは住宅の耐用年数は何年だと思われますか?現在35年ローンを使用されていらっしゃる方も多いかもしれません。そんな方にはショックかもしれませんが平均耐用年数は22~23年だというデーターを見たのは私だけではないと思います。耐用年数と言いましても、住宅が住めなくなった方ばかりではありません。生活様式が変わったので改修するよりも立て直したいとか、立ち退き等の社会的寿命も関係しております。ご安心ください。先日ですが、天保13年(西暦1842年)の絵図に載っている住宅を補修させていただきました。最低でも160年程度前に建設されましたご自宅です。この建物は歴史があるだけでなく、材料も特殊です。山鹿地方で「大黒柱」に「樫の柱」を使用してあるのは、私が知る限りではここだけです。この歴史ある建物ですが、原因は不明で「樫の大黒柱」の下部が腐ってきているのです。廻りに水気もありません。勿論束石(鍋田石という山鹿地方の凝灰岩製)がありますので直接土に接してもおりません。でも、湿気の為に柱が腐れ、建物の一部だけが下がってきているのです。不思議です。家の方も心配されて、知り合いの先生方にお尋ねされたのですが、原因不明です。ただ言えますのは、敷地廻りの道路は建設当時よりも高くなってきています。でも、柱位置は建物の中心に近いのですから、そこまで湿気が行くのでしょうか?私にも解りません。原因はともかく、この柱を補修しない限りは建物が傾きます。壁も傾斜致しますので建具も開閉も大変です。この建物を残して生活する為には柱を補修し建物を上げる必要があるのです。「根継ぎ」という言葉をご存じの方は多いと思います。どうしても柱の下部は腐りやすい物ですから、建物の寿命を延ばすために、柱下部の悪い部分だけを切り取って生活に支障が発生しないように改修する為の方法の一つです。現代の建築様式におきましては、土台木の上に柱を建てる形式ですので、困難な部分も有りますが、古民家は束建て方式です(下束石の上に柱を直接建てる方法)。お寺やお宮の床下を除いていただくと見る事が出来ます。特殊な例としては、建設当初より取り換えが容易なように全ての柱に「金輪継ぎ」を施してある物件も有りますので、日本建築は面白いです。(山鹿でも1件確認しております。切り口を見ますと、継ぎ手の時期が推定できます)現代のように建物の寿命を短く設定してないのかもしれません。肝心の工事の様子ですが、次回お話しさせていただきます。 日記 2010-10-13T16:12:44+09:00 家作りに思う事 2010年9月 http://www.nona-ken.com/modules/d3diary/index.php?page=detail&bid=9 家作りに思う事残暑きびしい季節ですが、いかがお暮らしでしょうか?まだまだ暑い日が続くかもしれません。暑さ対策を考えて、健康に留意されてください。暑い季節になりますといつも思い出すのが、日本の住宅(特に熊本)は「夏を常とすべし」という言葉です。現代の住宅におきましては、当たり前の話かもしれませんが、エアコン等冷暖房が整備された住宅が多いですよね。でもエアコンが無かった時代はどうしていたのでしょうか?熊本の場合、夏はどちらから風が吹く場合が多いかを考えますと、南風とか東風と聞きます。そうであるならば、南面や東面に開口部を設けて風を吹き込み、北面や西面に風を抜く間取りが良いですよね。古民家をみますと南面に縁側を配置しているのが多いのは、その事を考慮しての事だと考えさせられます。建築基準法が改正され、開口部も少なくなりました。耐震補強を考えますと昔風の間取りが作りにくくなったのは時代の流れかもしれません。自然の風を入れるのではなく、機械換気によりまして、人間生活を楽にする考え方も良いのかもしれません。でも、自然を感じながら縁側に座ってスイカを食べる風景が少なくなったのは寂しい気がします。私の子供たちも勿論そうなのですが、暑くなりましたら窓を開けるのではなく、すぐにエアコンのスイッチを入れそうになります。昔は窓を開けて涼んでいると「カブトムシ」や」「鬼ヤンマ」が飛び込んできた事を話しましても実感がわかないようです。勿論「蚊帳」の話をしても知りません。みなさんの家庭にはまだ有りますでしょうか?窓を開けるにしましても網戸が整備してある昨今、蚊帳は不要になったようです。(雷予防に使用されていらっしゃる方はおられるかもしれませんが?)住まいは、家族仲良くそして楽しく安全に生活できる「家」が一番です。ログハウス」や「輸入住宅」もあります。いろんな間取りや、建て方があって良いと思います。今でも、土壁や貫を使った「伝統工法」で建てられる方々もいらっしゃいます。「スイッチやコンセントの高さも同様で。標準はあっても、絶対値はありません。新しい材料や技術もできました。でも「シックハウス症候群」などの新しい病気も発生しております。不思議です。いかに先人達が風を利用するなど「自然界の力を利用する」智恵を持っていたということかもしれません。個人個人で考え方が違うとは思いますが、住まれる方が満足され、健康で家族仲良く安全に生活できる家作りが一番です。家を新築したら、家族が毎日笑顔でいられるなんて良いですよね。 日記 2010-09-07T08:35:46+09:00 古民家−3 http://www.nona-ken.com/modules/d3diary/index.php?page=detail&bid=3  古民家と聞いて皆さんはどんなイメージを持たれますか?前回もお話ししましたが黒光りした柱、大きな桁や梁、高い天井、そして煤けた内装などではないでしょうか。でも本当はそれだけではないんですよ。 一口に古民家と言いましても、色々な形式があると思います。いつ頃建設されたのか、用途は何なのか、どこの地域の建物なのか等色々な要件により建物は成り立っています。  田舎風ですと、一般的な古民家のイメージになるかもしれません。天井もなく、屋根裏の板がそのまま見えている場合も多いです。差し鴨居といいまして出入り口ふすまの上に高さ30センチほどの木材を化粧材として使用したり、敷居も同様な形式で施工してある場合もあります。土間があったり、作業性を考えてあるのかも知れませんが、基本的に大きな材料を使用し機能性を重視してあるようです。 町屋建築の場合はいかがでしょうか。田舎風に比べて全体的に上品ですよね。大きな材料と小さな材料をバランスよく配置し、天井がある部屋も多いのではないでしょうか。 でも共通して言える事は、木材を上手に使用してあることだと思います。「適材適所」という言葉がありますけど、まさにその通りです。桧、杉、ケヤキ、松、クス等色々な木材を木目や、節を考えてまさに適材適所に使用して有ります。人件費より木材費が高価だったせいでしょうか、曲がりくねった木材も梁等に使用し、当時の大工技術の高さをうかがう事が出来ます。 桧普請といいますと高級な感じがしますが、熊本では少ないようです。逆に良い杉を使った建物が多いですよね。能登半島の方に行きますとケヤキ普請の家もあります。九州の建物だと台風を意識し瓦を目地漆喰で固定したりしますが、関東ではしません。「うだつが上がる」という言葉がありますが、熊本ではどうでしょうか、四国に行きますと「土佐漆喰にうだつのある家」いいですよね。 古民家の良さは、その地域で取れる木材を適材適所に使用し、その地域の気候を考えて建設してあるところにあるのかもしれません。有限会社 野中建設 野中誠二 日記 2010-06-11T12:07:59+09:00 古民家−2 http://www.nona-ken.com/modules/d3diary/index.php?page=detail&bid=2  日本建築は本来再生しやすい建物だと考えています。移築とか、曳(ヒ)きやとかいう言葉を聞かれた方は多いとは思いますが、前者は解体して別の所に建て直しますが、後者は建てたままで建物移動させ、再度利用する方法です。 本来の日本建築の姿は全て再生可能な物で出来ているということです。柱梁の接合部は込栓という木の脱落防止の仕組みで固定してありますし、これを抜きますと、柱、梁を傷つけることなく別々にすることが可能です。壁土、瓦等も使用できますし基本的に接着剤は使用してありません。ご存知の方は少ないかもしれませんが、昔から建物の解体材は販売再利用されていたようです。余談ですが京都観光に行きますと、「この建物は釘を1本も使ってありません」なんて説明されるガイドさんがいますが、これはちょっと疑問です。いくらなんでも板材等は釘で固定してありますし、「骨組には釘を1本も使用してありません」が本当だと思います。 古い建物を調査いたしますと結構面白いことがわかります。移築して80年程建っていた物もありますし、一つの建物と考えていますと、元は3件だったりした事もあります。先日調査した物件では、建物は古いのですが早い時期に柱の下部を継いで(根継ぎ)してあるのですよ。もしかしたら移築してあるいは、古材の再利用かもしれません。建物には、建設当初からのカルテがそのまま保存してあります。 飲食店等で古い建物を移築したり、改修したりして営業しているところが結構あるようですが、読者の皆さんも行かれた事があると思います。私もお酒が好きですので行きますが黒光りした柱、大きな桁や梁、そして高い天井、いいですよね。そんなところに古民家の良さがあるのかもしれません。有限会社 野中建設 野中誠二 日記 2010-06-11T12:06:58+09:00 古民家−1 http://www.nona-ken.com/modules/d3diary/index.php?page=detail&bid=1 皆さんはご存知ですか、新築住宅着工件数は3年連続増加しているのですよ。 平成16年は1,189,049件、平成18年は1,236,122件、実に5年ぶりに120万戸台を回復し、その内訳をみてみますと、軸組木造住宅が426,298件で第1位なんですよ。 一口に軸組住宅と言いましても、在来木造住宅とか、本格的木造軸組住宅とか色々な形式があります。おおまかに言いますと、昔ながらの大工さんの手刻みによる加工を行い、筋交いではなく貫材を使用した住宅、同様な加工を行いながら筋交いを使用した住宅、大工ではなくコンピュターにより加工を行い、筋交いを使用した住宅に分類できるかも知れません。変わったところでは、柱を数多く並べて壁として使用した建物とか、鉄骨の変わりに木材を使い、溶接の替わりに特殊金物と接着剤で固めた建物もありますが、これは少数派だと思います。 近頃は流行なんでしょうか、古民家再生とかいう言葉がよく聞かれます。古い建物を再生して使用する訳ですが、もちろん大工さんが手刻みで加工を行い、貫材を使用して土を使って壁を造ってある建物がほとんどです。 現代の建物は、スクラップandビルドの流れでしょうか、平均寿命は24〜25年と言われています。短いですよね。構造的寿命ではなく、社会的寿命もあるかもしれません。 田舎に行きますと築50年は当たり前ですし、100年近く前の家もあるような気がします。勿論新築当時のままではありません。屋根瓦を葺き替えたり、トイレや風呂、台所もきれいにしてあります。何も問題はないようです。古い建物は、柱や梁が丈夫ですし、壁も少ないので改造しやすいのですよ。本来住宅はその時々の生活様式に対応して変化させていけば、50年100年とその寿命を延ばす事が出来るはずですし、一番建物にとって悪いのは人が生活しなくなり、換気がとれなくなることではないでしょうか。有限会社 野中建設 野中誠二 日記 2010-06-11T12:04:01+09:00